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トライタイプ

トライタイプ

<トライタイプとは>


1995年の調査で、人はひとつだけでなく、好ましい順番で使用される三つのエニアグラムタイプを持つことが示された。これらの各タイプは三つのセンター、ヘッド(567)、ハート(234)、ガッツ(891)に存在する。

三つのタイプのうち、支配的なタイプは自我の優先する防衛戦略を表す。しかし、支配的なタイプの戦略が失敗すると、自我は残り二つのタイプの戦略を順番に利用する。支配的なタイプは常に統制者であるため、最終的に核となる戦略に立ち戻る。

<調査方法>


初期の調査から明らかになったことは、質問票やコーチングの際にクライアントによって使用された語彙パターンが、一貫して三つのタイプを中心に自我の戦略を組織したことである。言い換えると、クライアントは個人的な心理経験をさらけ出す際に、三タイプの言語や語彙を利用した。

クライアントは支配的なタイプだけでなく、他の二タイプの核となる恐怖とも共感した。さらに重要なことに、多くの人々は支配的なタイプとラインやウイングで繋がっていないタイプの語を使用した。殆どの理論家は全ての言動が支配的なタイプ、ウイング、ラインに帰するものと考えていたが、クライアントは各センターにおけるタイプの語彙を何度も使用したため、これはトライタイプの発見において重要な特徴である。

語彙分類は質問票の単語選択を統計的に実証し、各タイプが母語、年齢、性別、教育、国籍や人種を問わず独自の語彙を使用するという仮説を確認するために使用される。さらに、支配的な本能型の言語と同様に、トライタイプを構成する3タイプの語彙を使用することも確認する。このため、タイピングは5つの段階を経る。1)質問票。2)エニアカードを用いたテスト。3)本能型のテスト。4)語彙分類。5)コーチング。

出典:https://www.katherinefauvre.com/tritype/

<ウイングとライン>


調査は人がウイングとライン(エニアグラム図で点同士を結ぶ線)を利用することを示したが、これらのウイングとラインは、個別に使用される戦略に留まらない。何故、メインタイプと関連のない根源的な恐怖、語彙、動機や望みが報告されたのか?トライタイプにウイングタイプや統合・退行ラインに沿ったタイプが含まれると、そのタイプが活用されることが極めて多い。

例えば、トライタイプに3と6を持つタイプ9(936)は、3と6の影響が強まり、伝統的なタイプ9の描写に著しく一致する。一方、945や947のように、ラインが接続していないタイプ9は、936と全く異なる。

加えて、トライタイプにウイングタイプが含まれる場合について述べる。例えば、トライタイプに8を持つタイプ7は、8の防衛戦略の影響を強く受けることで、タイプ8と誤認されることが多い。さらに、7w8(782)は、ウイングタイプとトライタイプを通じてタイプ8にアクセスする。また、782は2のラインから8にアクセスする。このため、782は8の特色を非常に強く持つ。

<タイプごとの違い>

トライタイプは同一タイプ内の違いを説明する。同じメインタイプを共有するタイプは、トライタイプによって互いに非常に異なる。トライタイプに含まれるタイプと、メインタイプの接続を調査することで、この違いの原因が明らかになる。

例1)タイプ1のトライタイプは以下の組み合わせになる。125、126、127、135、136、137、145、146、147。各タイプに9通りの組み合わせがあり、81のトライタイプが生成される。145は内向的で内省的、137は楽観的で社交的である。両者は共にタイプ1だが、トライタイプに含まれるタイプが違いを生み出す。

例2)874と826の違いを説明する。874が二番目に使用する戦略は、826と極めて異なる。両者は共に防衛的だが、874は性急(7)で創造的(4,7&8)かつ楽観的(7)なタイプ8である一方、826はシニカル(8,6)、忠実(8,6)、支援的(2,6&8)なタイプ8である。

例3)タイプ4(468)は、タイプ6とタイプ8の戦略も使用する。4の戦略が自我を満たすことに失敗すると、ウイングと接続ラインも動員される。全ての選択肢を試した後、他の二センターで支配的なタイプを使い、問題を解決しようとする。この場合、468はタイプ6とタイプ8の戦略を利用する。

例4)タイプ1(147)は、勤勉(1)、ポジティブ(7)、洞察的(4)であり、規範(1)、選択肢(7)、意義(4)を求める。タイプ1の戦略が失敗して、完璧主義と責任に対する望みを満たせないと、タイプ7とタイプ4の戦略を展開する。

<原型>

トライタイプは、三つのタイプが組み合わされる場合に生成される、心理的および活動的な原型の影響を考察することを可能にする。例えば、127、172、712、271、217、721は自我が展開する順番を問わず、同じタイプ、原型的なエネルギーと防衛パターンから構成される。これはタイプが使用される順列に関係なく、トライタイプ内の組み合わせに共通する表現と経験を生み出す。

また、同じトライタイプを共有する人が、同じエニアグラムのタイプを共有する人々よりも共通点を持つ理由も説明する。同じトライタイプ原型を有する人々は、互いに自然な親和性を持つことがわかった。これは順序が異なるだけの同じ三つの戦略を用いて、問題に対処するためである。

例1)トライタイプ126「サポーター」は、126、261、612、162、216、621の原型である。これらの6タイプは、支配的なタイプが位置する各センター(ヘッド、ハート、ガッツ)の価値観に従って、責任を負う必要を感じている。この三タイプが組み合わされると、正しいこと(1)、必要とされること(2)、非難から逃れること(6)によって安心を得る必要がある。従って、この人物は他者を支援することに極度に集中する。加えて、このトライタイプはするべきこと(1)、役に立つこと(2)、義務を果たしているように見えること(6)にも集中しているため、非常に責任感のある人物となる。

例2)感情(234)、思考(567)、行動(891)に関して、センターがどのように機能するか比較する。468と459は、共に感情、思考、行動の順に機能するトライタイプだが、468は反応が早く積極的であるのに対し、459は受動的かつ回避的である。

例3)972と935の違いを掘り下げる。972は非常に楽観的な見通しを持ち、快適な人間関係を望む。2と7は、972を社交的にし、調和に対するニーズを強める。対照的に、935は理知的で回避的である。5と3は、935を控え目で競争性に集中させる。このため、935は精神的であり、特にSpが支配的である場合、タイプ5と誤認されやすい。

<本能型>


本能型とトライタイプは、生存を確保するために設計された複雑な防衛システムの一部に作用する。本能型は「原始的」な性質を特定し、人格構造の最も基礎的な部分である。トライタイプは安全(本能型の価値観によって特定される)を脅かす脅威に対処する具体的な手段である。

生存に重点を置く手段に影響を与える三つの本能が存在する。エニアグラムの文脈において、これら3つの動因、または「本能」が求めるものは、以下のように分類される。

Sp:安全、保護、幸福
So:他者、グループ、コミュニティ
Sx:伴侶、刺激、親密な1対1の絆

各本能型の興味は以下のようになる。

SpSoSx
タイプ1不安、心配、期待厳正、適応しない、正義熱意、嫉妬、競争、批判
タイプ2資格、自己優先、特権野心、憧れ、専心誘惑、攻撃、挑戦
タイプ3安全、蓄積、希少性尊敬、達成、称賛男性的(女性的)役割、理想
タイプ5マイホーム、隠れ家親族、アイデンティティ、秘密結社自信、信頼、至上の愛
タイプ6真心、愛情や拒絶義務、共同体、社会執行力と美、刺激
タイプ7家族やグループの安全グループの満足、正当な評価魅惑、魅力的な人物
タイプ8満足な生存、領土同盟、敵と味方所有、降伏、献身
タイプ9食欲、代用品、収集周辺参加、アンカー団結と同盟、共生

本能型とトライタイプ各々の持つ恐怖は、世界と関連する習慣的な方法を示す。例えば、Sx874は生存するために伴侶(sx)とパワー(8+sx)を得ることを重視する。重要な関係(sx)に脅威が生じると、支配的な8は伴侶を保護して落ち着きを取り戻そうとする。Sx優位の874は、力と影響力(8+sx)を得ることで親密な絆(sx)の力を維持する。伴侶(sx)に加えて、強く率直であること(8)、ポジティブで革新的であること(7)、独自性と意義ある解決策(4)を求める。

Sxの欲求が満たされないと、874の防衛戦略が発動する。Sxはタイプ8,7,4の順に展開する。タイプ8が障害を克服できなかった場合、自我は7の戦略に焦点を当て、潜在的な解決策を試す。問題が解決しなければ、4の戦略を利用して更に問題を掘り下げる。

トライタイプと本能型の組み合わせは、同じタイプを持つ人々が異なる態度を取る理由を説明することに役立つ。例えば、前述のSx874とSx826を比較できる。総じてSx8は伴侶やパワーを持つことで、傷つけられたり、コントロールされたり、操作されることを回避しようとする。しかし、874が防御的、自律的(8)、革新的(7)かつ深い洞察(4)に満足を感じる「メッセンジャー」である一方、826は防御的(8)、有益(2)かつ忠実で従順(6)であることに満足を感じる「救済者」である。

<トリプルアタッチメント>

タイプ3,6,9で構成されるトライタイプを「トリプルアタッチメント」と呼ぶ。

タイプ9は本能センターの中心、タイプ3は感情センターの中心、タイプ6は知性センターの中心にある。これらのタイプはセンターから切り離されているため、タイプ3は羞恥(感情)、タイプ6は精神(知性)、タイプ9は怒り(本能)から切り離される。これらのタイプはコアがぶれやすい。タイプ9は怒りを感じるが、問題の核心で怒りを抑圧する。タイプ6は内的な権威を持たないと同時に疑り深いが、ある時は権威を盲信する。タイプ3は価値を成果に結びつけるが、失敗を恐れる。

これらのタイプでは、統合は3→6→9→3の順に、退行は3→9→6→3の順に起こる。このため、この組み合わせは三角形内で固着がループして、コアが不明瞭になることがある。

出典:
Exploring Enneagram Tritype™:Theory and Practice-Katherine Chernick Fauvre & David.W. Fauvre, MA

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