スキップしてメイン コンテンツに移動

双対関係:SEI‐ILE

双対関係:SEI-ILE


1.Ne:主導機能(ILE)/暗示機能(SEI)


多様な概念の可能性に関して、ILEは定期的に「主導」機能の意見を生成する。様々な講義、セミナー、非体系的な読書から学んだ型破りなアイデアと仮説を示し、同時にこの情報を変換して、独自の解説を追加する。SEIは、この種の情報、つまり、コンテンツの中で最も独創的で遠大であると同時に、曖昧で大まかな情報を受け取り、その形式に関して様々な解釈をを行うことを志向している。このような方法で情報を提供する対話相手を、非常に知的で洞察力に富み、したがって最も興味深い人物として、SEIは認識する。

2.Ti:創造機能(ILE)/動員機能(SEI)


ILEは、古く脆弱で時代遅れの構造を破壊し、組織内で分裂を起こし、新しい派閥と支持者を分離して、新たな集団を組織することができる。この種の行動情報は、SEIを非常に惹きつける。この結果として生じる無政府状態と不安定性、および共通する派閥の利益によって団結した非公式集団の台頭は、SEIにとって極めて有益なものであり、客観的に対立を分析し、まとまった組織に新たな時流や理論の様々な支援者を招集して、主導者および調停者として機能するには打ってつけの状況である。この機能の双対関係における家庭内の側面は次のようになる。ILEは自宅を大いに散らかし、物を使った場所に置きっ放しにする傾向があるが、SEIの努力で十分なレベルの秩序を確保できる。SEIの尽力によって、物の紛失は防がれる。

3.Se:役割機能(ILE)/無視機能(SEI)


役割機能に従い、ILEは緊急事態では力を動員することができる。ILEが強い外圧にさらされた場合、それに対抗および抵抗することができる。例えば、ILEは総力を挙げて、緊急のニーズや迫り来る締め切りに備え、仕事や未処理の雑用を解消できる。規範的、つまり柔軟性に欠けるこの機能には、限定的な一連の行動規範が含まれる。SEIは、イニシアチブ、決断、および特定の行動に関する助言(「全てを自分の手で達成する」、「ダラダラしない」、「今すぐこれをやる」など)を行うことによって、この機能の指導者となる。

4.Fi:脆弱機能(ILE)/証明機能(SEI)

ILEが人に対して個人的な嫌悪感を表現し、心理的距離を設定することは難しい。このタイプは誰にでも等しく友好的かつ親しげにする傾向があり、来る者を拒まない。同時に、ILEは自身に対する他者の態度に鈍感である。このタイプはしばしば無礼に振る舞い、他者を観察して分析することを好み、一般に人間関係における倫理規範をほとんど考慮しない。これに気付くと頻繁に謝罪する。SEIはこの弱点に言及しない。つまり、ILEを批判して教育しようとはしない。SEIが無意識にこれらの問題に対処し、解決する。この機能で、SEIは近しい心理的距離を作り出す。これは、人との接触における社交性と愛想の良さとして表れる。この行動によって、平等で親しみやすく、リラックスした雰囲気が作り出され、ILEは行動によって他者に動揺を与えないように、常に礼儀正しく作法を守る必要がなくなる。

5.Si:暗示機能(ILE)/主導機能(SEI)


ILEは、多くの興味深い詳細と、変化に富んだ関連性を伝える情報を受け入れ、これを容易に記憶する。常に他者に明確に伝達できない、抽象的で広範囲にわたるアイデアを、便利で包括的な外殻を用いて、補助することができる。これはILEを刺激し、自身の理論的研究の有用性と人々のニーズへの緊密さを実証する。自分の考えや計画に対するそのような感覚的支援を受けないと、ILEは周囲に危機が生じていると思い込み始め、社会の「劣悪性」を非難する。休息、レジャー、快適性に関するSEIの「主導」機能の情報は、健康の前提条件としてILEに蓄積した緊張を緩和し、身体的自己と外見に配慮する必要性を思い出させる。

6.Fe:動員機能(ILE)/創造機能(SEI)


オープンな感情表現、曖昧さ、低い身体能力を、ILEは不快に感じる。従って、内面のドラマ化を基に集積された自制心と真面目さを露にする。ILEは定期的に感情的な揺さぶりを必要とし、これをSEIから受け取る。SEIは、冗談や遊び心のある皮肉を用いたり、暗示やほのめかしを含めて話すことで、人を「からかう」ことができる。人が感情的に我を失うと、SEIの感情的な操縦は止まる。この感情に対するSEIの「アナーキスト」的な性質こそ、ILEの意気高揚と活力を維持するために必要なものである。この種の感情的なサポートをパートナーから得ないと、ILEは様々なパーティーや娯楽行事に参加して、これを獲得しようとする。

7.Ni:無視機能(ILE)/動員機能(SEI)


ILEは、無意識のうちに出来事の流れを時間内に感じる。過去から未来を予測する能力ゆえ、しばしば過去の業績を低く見積もり、すぐにそれらへの興味を失う。ILEは戦術的な性質のアドバイスを与える。困難な状況で行動する方法、矛盾のもつれから自分自身を引き離す方法など。二つの選択肢がある場合に第三の選択肢を見つけ出す術を、ILEは心得ている。この性質によって、ILEはこの機能に関してSEIに指示し、将来の展望を説明して、Win-Winの解決策と提案を示す。このようなILEの助言と調整なくして、SEIの活動は上手くいかない。一方では、取るに足りない簡単な問題であり、他方では過去に蓄積された矛盾に対する解決策が提供されない。

8.Te:証明機能(ILE)/脆弱機能(SEI)


ILEには、自身で見出したあらゆる状況から利益を得る無意識の能力がある(この性質はサブタイプNeよりも、サブタイプTiでより顕著となる)。この実務的な活動は、直接的な生産に基づくものではなく、起業、貿易、交渉などの間接的な性質を帯びる。この機能では、ILEはSEIに対して言語的な影響力を行使せず、公然と口頭で批判したり教えたりしない。SEIにとって、直接的に実利的な活動に従事することは困難である。SEIは利用可能な伝手を介して、私的なレベルでこの種の問題を解決する傾向がある。ILEは、公式のビジネス関係における複雑なルールに対処する必要性からSEIを解放し、有利な契約と交渉の開始者および「締結者」としての才能を示す。

出典:http://www.wikisocion.net/en/index.php?title=Descriptions_of_Dual_Relations_by_Gulenko#SEI-ILE

コメント

このブログの人気の投稿

MBTI:タイプの関係

日本では何故かソシオニクスしかタイプの関係を扱っていないことになっている(?)が、MBTIでもタイプの関係については言及されている。「タイプの関係(相性)」は誰でも思いつくテーマなので当然だが、MBTIの関係論については、あまり有名ではない。理論的にはそこまで緻密なものではないが、参考までに紹介する(メインで取り上げるカーシーについては この記事 を参照)。 初期のカーシーは、真逆のタイプ同士の相性が最も優れていると考えていた。人は自分にないものに惹かれる。つまり、INTPとESFJが互いに惹きつけ合う。ただ、その後の観察から、カーシーは考えを変えたらしい。多くの結婚生活を観察した結果、SJとSP、NFとNTの組み合わせが最も多いことがわかった。どちらの組み合わせも、コミュニケーションの好みは一致している一方、目標を達成する手段は異なる。例えば、SJとSPは共に具体的な対象について話すことを好むが、SJは協調して行動するのに対し、SPは実利を重視して行動する。逆の組み合わせ(SJとNF、SPとNT)では、この関係性は成立しない。このため、SとNの違いが重要とされる。 実はタイプの関係については、マイヤーズも言及している。375組の夫婦を調査したところ、夫婦の77%は二つ以上の指標が一致していた。特にSN指標が一致していることが、タイプを問わず重要だという。マイヤーズは異なるタイプ間の違いを理解するためにMBTIを作ったが、実際は自分に近いタイプを好むらしい。ユングによれば、人のシャドウによる行動は、その人物の行動と見なすべきではない。シャドウを額面通りに受け取らないことが、結婚生活を上手く送る秘訣になる。 話をカーシーに戻すと、彼の理論ではSN以外の指標が逆のカップルに、最も互換性がある。つまり、 ESTP x ISFJ 、 ESFP x I STJ 、 ESFJ x I STP 、 ESTJ x ISFP 、 ENTP x INFJ 、 ENFP x INTJ 、 ENFJ x INTP 、 ENTJ x INFP がベストカップルになる。以下に各々の気質ごとの関係性をまとめた。 <SP:職人> SPは異性と真剣な関係になりにくい。衝動的に人々に惹きつけられ、新たな関係を結ぶ。他の気質よりも外見に気を遣い、性的な経験にも積極的である。抽象的な刺激には心を動かさない

トライタイプ

<トライタイプとは> 1995年の調査で、人はひとつだけでなく、好ましい順番で使用される三つのエニアグラムタイプを持つことが示された。これらの各タイプは三つのセンター、ヘッド(567)、ハート(234)、ガッツ(891)に存在する。 三つのタイプのうち、支配的なタイプは自我の優先する防衛戦略を表す。しかし、支配的なタイプの戦略が失敗すると、自我は残り二つのタイプの戦略を順番に利用する。支配的なタイプは常に統制者であるため、最終的に核となる戦略に立ち戻る。 <調査方法> 初期の調査から明らかになったことは、質問票やコーチングの際にクライアントによって使用された語彙パターンが、一貫して三つのタイプを中心に自我の戦略を組織したことである。言い換えると、クライアントは個人的な心理経験をさらけ出す際に、三タイプの言語や語彙を利用した。 クライアントは支配的なタイプだけでなく、他の二タイプの核となる恐怖とも共感した。さらに重要なことに、多くの人々は支配的なタイプとラインやウイングで繋がっていないタイプの語を使用した。殆どの理論家は全ての言動が支配的なタイプ、ウイング、ラインに帰するものと考えていたが、クライアントは各センターにおけるタイプの語彙を何度も使用したため、これはトライタイプの発見において重要な特徴である。 語彙分類は質問票の単語選択を統計的に実証し、各タイプが母語、年齢、性別、教育、国籍や人種を問わず独自の語彙を使用するという仮説を確認するために使用される。さらに、支配的な本能型の言語と同様に、トライタイプを構成する3タイプの語彙を使用することも確認する。このため、タイピングは5つの段階を経る。1)質問票。2)エニアカードを用いたテスト。3)本能型のテスト。4)語彙分類。5)コーチング。 出典: https://www.katherinefauvre.com/tritype/ <ウイングとライン> 調査は人がウイングとライン(エニアグラム図で点同士を結ぶ線)を利用することを示したが、これらのウイングとラインは、個別に使用される戦略に留まらない。何故、メインタイプと関連のない根源的な恐怖、語彙、動機や望みが報告されたのか?トライタイプにウイングタイプや統合・退行ラインに沿ったタイプが含まれると、そのタイプが活用されることが極めて多い。 例えば、トライタイプに3と6を持つ

MBTIとソシオニクスの違い:心理機能と情報要素

前回 はJ/Pの違いについて触れたが、MBTIとソシオニクスは4指標の定義、心理機能(情報要素)の定義においても異なっている。以下はWorld Socionics Societyが挙げた両者の違いとなる。 ①各指標が意味するもの ・MBTIのI / Eは「人と関わってエネルギーを得るか」だが、ソシオニクスではFに依存する。外向T型は交流をあまり必要とせず、内向F型は人と関わることを好む。 ・MBTIのN / SはN型のみが創造力・発想力に富むというバイアスがかかっており、S型は過小評価されている。ソシオニクスでは両者が得意とする領域で公平に取り扱われる。 ・MBTIのT / Fは「厳しさ・優しさ」を表すが、ソシオニクスでは競争心・攻撃性・厳しさはSeに依存する。よってソシオニクスにおけるSe優勢タイプの多くが、MBTIではT型になる。ソシオニクスのFは親切心・寛大さではなく、対人能力を表す。よってSe-Fタイプは社会的に優位に立つためFを利用する。 ・MBTIのJ / Pは「組織力・計画性の有無」を表すが、ソシオニクスではTに依存する。よって多くのF型がMBTIでPと判定される。ソシオニクスの合理・非合理は物事が「どうであるべきか(T / F)」「どうであるか(N / S)」というアプローチの取り方に焦点を当てる。EIE(ENFj)やEII(INFj)は計画性に欠ける可能性があるが、「自分の感情は正しい」「他人はこのように感じるべきだ」という明確な見解を持つタイプとなる。 ※なお、わかりやすくするために特徴を挙げたが、詳細は各指標に関する記事で確認して欲しい。 ②MBTIの認知機能とソシオニクスのIE ・MBTIのSe(現在を生きる、快楽を求める、美的感覚)=ソシオニクスのSi ・MBTIのSi(記憶、歴史、比較、時間感覚)=ソシオニクスのNi ・MBTIのSi(ルールを守る)=ソシオニクスのTi ・MBTIのTi(物事の仕組みを解明する)=ソシオニクスのTe ・MBTIのTe(権威、指揮、上下関係)=ソシオニクスのSe ・MBTIのFi(感情の状態)=ソシオニクスのFe ・MBTIのFe(人間関係、社会的に適切な態度)=ソシオニクスのFi ※ソシオニクスについては「 情報要素 」を参照。 ③グループ分け ・MBTI