スキップしてメイン コンテンツに移動

モデルA:心理機能②


5.暗示機能
暗示機能は双対を求める機能とも呼ばれる。この要素は主導機能の活動を完全に補完、推進するため、この要素には圧倒され難い。この要素が日常生活に存在するほど、その状態に自然と順応する。この種の情報によって気安く楽しみ、その持続的な存在は心を落ち着かせる心理的効果を生み出す。環境でその不足を感じると、それを自分で供給しようとすることがあるが、すぐに疲れ果てる。動員機能とは異なり、他者からの集中的かつ長期的な供給は積極的に受け入れられる(ある程度、個人の二重化の程度に依存する)。

日常生活において、人はこの機能の使用に深く焦点を合わせ、常に現実のこの側面を通して環境から受け取った情報を消化しようとする。それによって主導機能を補完し、個人が自我の探求について深く理解するだけでなく、より満足するためである。

6.動員機能
動員機能は、活性化機能および隠された思惑の機能とも呼ばれる。この要素への助けは大いに歓迎されるが、一定の度合いを過ぎると過剰なものと見なされる。暗示機能よりもこの機能を使用する方が快適だが、それでも散発的な使用に留まる。この機能を評価していない相手に、不注意にもそれを向けると、手厳しい反応に出会うことになる。相手はそれを幼児性の発露として受け止めているからである(そもそも人はこの要素を真剣に捉えているので、暗示機能を使用する場合よりもずっと、成熟して熟慮された印象を与えるが)。動員機能における本質的なバランスの欠如により、際限なくそれを甘やかしたり、ひどく無視したりすることがある。これは暗示機能をサポートするために最適な機能である。

この要素が過剰に周囲にある場合、退屈するか、それを忌避することさえある。人はそれを良い生活を送るために必要な部分と考えているが、人生の主要な目標ではない。

7.無視機能
無視機能は、監視機能または制限機能とも呼ばれる。

この要素は主導機能の競合像であり、同じ領域に対する正反対のアプローチを表しているため、人はこの要素をほとんど使用しない。これは個人にとって頑固な頭痛の種として、潜在意識に居座る。したがって、人はそれを無視しようとする。無視機能の使用について他者から指導された場合、それを不必要な情報と見なす。なぜなら、その機能の使い方をよく知っているが、より便利な主導機能を好んで、無視機能を使用しないことを選ぶためである。通常、主導機能は無視機能に関連する副産物を生成するが、そのような情報を表現する方法は、主導機能の観点に合うように極めて慎重に選択される。

公共の場において、この要素の表現は制限されるが(主導機能を優先)、プライベートでは広範囲に使用し、必要に応じて使い分けることができる。例えば、SEIは通常、主導機能である内向感覚〇に従い、極度に物理的または衝突の原因となる活動を避けるが、避けられない対立が発生した場合、外向感覚●を使用して激しく高圧的になり、短時間は口論することができる。

この機能を極端に回避すると、時に弱々しく見えることがある。しかし、使用した場合、弱い機能と同様の心理的ストレスを引き起こすことはなく、一種の退屈や倦怠感が生じる。

8.実証機能
人はこの要素を主にゲームの一種として、またはこれをあまりにも真剣に捉えている他者をからかうために使用する。創造機能の正しさを証明するために、標準的な使い方に意図して逆らうことが多い。ただし、この機能はプライベートで極めて頻繁に用いられ、外界との接触に焦点を当てる場合、創造機能を補助するためにこの要素の情報を生成する。

多くの場合、人はこの機能を主導機能と同じくらい高度に理解する。無視機能とは異なり、これは双対の脆弱機能として微細な注意を必要とするため、個人の世界観において重要な役割を果たす。したがって、他者から実証機能の要素に関する情報を与えられると、完全に重きを置くには明らかに無関係な情報として捉える傾向がある。しばしば、脆弱機能で作られた意見を擁護し、さらに支援するために実証機能を使用する。

実証機能は、使用するのが最も簡単(主導機能の次)な機能だが、それでも散発的なものであることが多い。この機能に関して問題を感じた場合、世界観に不可欠な役割を果たすものとして、修正する必要がある。

出典:http://www.wikisocion.net/en/index.php?title=Functions

コメント

このブログの人気の投稿

MBTI:タイプの関係

日本では何故かソシオニクスしかタイプの関係を扱っていないことになっている(?)が、MBTIでもタイプの関係については言及されている。「タイプの関係(相性)」は誰でも思いつくテーマなので当然だが、MBTIの関係論については、あまり有名ではない。理論的にはそこまで緻密なものではないが、参考までに紹介する(メインで取り上げるカーシーについては この記事 を参照)。 初期のカーシーは、真逆のタイプ同士の相性が最も優れていると考えていた。人は自分にないものに惹かれる。つまり、INTPとESFJが互いに惹きつけ合う。ただ、その後の観察から、カーシーは考えを変えたらしい。多くの結婚生活を観察した結果、SJとSP、NFとNTの組み合わせが最も多いことがわかった。どちらの組み合わせも、コミュニケーションの好みは一致している一方、目標を達成する手段は異なる。例えば、SJとSPは共に具体的な対象について話すことを好むが、SJは協調して行動するのに対し、SPは実利を重視して行動する。逆の組み合わせ(SJとNF、SPとNT)では、この関係性は成立しない。このため、SとNの違いが重要とされる。 実はタイプの関係については、マイヤーズも言及している。375組の夫婦を調査したところ、夫婦の77%は二つ以上の指標が一致していた。特にSN指標が一致していることが、タイプを問わず重要だという。マイヤーズは異なるタイプ間の違いを理解するためにMBTIを作ったが、実際は自分に近いタイプを好むらしい。ユングによれば、人のシャドウによる行動は、その人物の行動と見なすべきではない。シャドウを額面通りに受け取らないことが、結婚生活を上手く送る秘訣になる。 話をカーシーに戻すと、彼の理論ではSN以外の指標が逆のカップルに、最も互換性がある。つまり、 ESTP x ISFJ 、 ESFP x I STJ 、 ESFJ x I STP 、 ESTJ x ISFP 、 ENTP x INFJ 、 ENFP x INTJ 、 ENFJ x INTP 、 ENTJ x INFP がベストカップルになる。以下に各々の気質ごとの関係性をまとめた。 <SP:職人> SPは異性と真剣な関係になりにくい。衝動的に人々に惹きつけられ、新たな関係を結ぶ。他の気質よりも外見に気を遣い、性的な経験にも積極的である。抽象的な刺激には心を動かさない

トライタイプ

<トライタイプとは> 1995年の調査で、人はひとつだけでなく、好ましい順番で使用される三つのエニアグラムタイプを持つことが示された。これらの各タイプは三つのセンター、ヘッド(567)、ハート(234)、ガッツ(891)に存在する。 三つのタイプのうち、支配的なタイプは自我の優先する防衛戦略を表す。しかし、支配的なタイプの戦略が失敗すると、自我は残り二つのタイプの戦略を順番に利用する。支配的なタイプは常に統制者であるため、最終的に核となる戦略に立ち戻る。 <調査方法> 初期の調査から明らかになったことは、質問票やコーチングの際にクライアントによって使用された語彙パターンが、一貫して三つのタイプを中心に自我の戦略を組織したことである。言い換えると、クライアントは個人的な心理経験をさらけ出す際に、三タイプの言語や語彙を利用した。 クライアントは支配的なタイプだけでなく、他の二タイプの核となる恐怖とも共感した。さらに重要なことに、多くの人々は支配的なタイプとラインやウイングで繋がっていないタイプの語を使用した。殆どの理論家は全ての言動が支配的なタイプ、ウイング、ラインに帰するものと考えていたが、クライアントは各センターにおけるタイプの語彙を何度も使用したため、これはトライタイプの発見において重要な特徴である。 語彙分類は質問票の単語選択を統計的に実証し、各タイプが母語、年齢、性別、教育、国籍や人種を問わず独自の語彙を使用するという仮説を確認するために使用される。さらに、支配的な本能型の言語と同様に、トライタイプを構成する3タイプの語彙を使用することも確認する。このため、タイピングは5つの段階を経る。1)質問票。2)エニアカードを用いたテスト。3)本能型のテスト。4)語彙分類。5)コーチング。 出典: https://www.katherinefauvre.com/tritype/ <ウイングとライン> 調査は人がウイングとライン(エニアグラム図で点同士を結ぶ線)を利用することを示したが、これらのウイングとラインは、個別に使用される戦略に留まらない。何故、メインタイプと関連のない根源的な恐怖、語彙、動機や望みが報告されたのか?トライタイプにウイングタイプや統合・退行ラインに沿ったタイプが含まれると、そのタイプが活用されることが極めて多い。 例えば、トライタイプに3と6を持つ

MBTIとソシオニクスの違い:心理機能と情報要素

前回 はJ/Pの違いについて触れたが、MBTIとソシオニクスは4指標の定義、心理機能(情報要素)の定義においても異なっている。以下はWorld Socionics Societyが挙げた両者の違いとなる。 ①各指標が意味するもの ・MBTIのI / Eは「人と関わってエネルギーを得るか」だが、ソシオニクスではFに依存する。外向T型は交流をあまり必要とせず、内向F型は人と関わることを好む。 ・MBTIのN / SはN型のみが創造力・発想力に富むというバイアスがかかっており、S型は過小評価されている。ソシオニクスでは両者が得意とする領域で公平に取り扱われる。 ・MBTIのT / Fは「厳しさ・優しさ」を表すが、ソシオニクスでは競争心・攻撃性・厳しさはSeに依存する。よってソシオニクスにおけるSe優勢タイプの多くが、MBTIではT型になる。ソシオニクスのFは親切心・寛大さではなく、対人能力を表す。よってSe-Fタイプは社会的に優位に立つためFを利用する。 ・MBTIのJ / Pは「組織力・計画性の有無」を表すが、ソシオニクスではTに依存する。よって多くのF型がMBTIでPと判定される。ソシオニクスの合理・非合理は物事が「どうであるべきか(T / F)」「どうであるか(N / S)」というアプローチの取り方に焦点を当てる。EIE(ENFj)やEII(INFj)は計画性に欠ける可能性があるが、「自分の感情は正しい」「他人はこのように感じるべきだ」という明確な見解を持つタイプとなる。 ※なお、わかりやすくするために特徴を挙げたが、詳細は各指標に関する記事で確認して欲しい。 ②MBTIの認知機能とソシオニクスのIE ・MBTIのSe(現在を生きる、快楽を求める、美的感覚)=ソシオニクスのSi ・MBTIのSi(記憶、歴史、比較、時間感覚)=ソシオニクスのNi ・MBTIのSi(ルールを守る)=ソシオニクスのTi ・MBTIのTi(物事の仕組みを解明する)=ソシオニクスのTe ・MBTIのTe(権威、指揮、上下関係)=ソシオニクスのSe ・MBTIのFi(感情の状態)=ソシオニクスのFe ・MBTIのFe(人間関係、社会的に適切な態度)=ソシオニクスのFi ※ソシオニクスについては「 情報要素 」を参照。 ③グループ分け ・MBTI