スキップしてメイン コンテンツに移動

モデルA:基本

モデルAの基本情報

モデルAとは人間の情報処理モデルであり、8つの機能(4つの強い機能と4つの弱い機能)から構成される。このモデルは、Aushra Augustinavichiuteに敬意を表して名付けられた。

モデルAの構造
モデルは、情報代謝の8つの側面で満たされた4つの層、または水平のブロックに分散された8つの精神機能から成立する。このモデルは、ユング類型を発展させたものである。

これは以下の3層から成るフロイトの精神モデルに基づいている:意識(自我、「私」)、前意識(超自我、「良心」)、無意識(イド、「それ」)。フロイトのモデルにおけるイドは、モデルAで2つのブロックに分割される。フロイトの名称を引き継ぐ強力なバイタルブロック(イド)と、弱いバイタルブロック(超イド)である。

モデルA
1、3、5、7:受容機能。2、4、6、8:生成機能
次元の隣の矢印は、機能の符号を示す。
←は、質疑タイプではプラスを、宣告タイプではマイナスを示す。
→は、宣告タイプではプラスを、質疑タイプではマイナスを示す。

機能           強弱   ブロック     リング
1.主導  2.創造    強い   自我       メンタル
主要      補助    言語  「知っている」
4次元←     3次元→       創造的ブロック

4.脆弱  3.役割    弱い   超自我      メンタル
痛み(PoLR) 規範    非言語 「すべき」
1次元→    2次元←       社会統制のブロック

6.動員  5.暗示    弱い   超イド      バイタル
指示     盲信    言語   「欲しい」
2次元←   1次元→        個人活動のブロック

7.無視  8.実証    強い   イド       バイタル
制限     背景    非言語  「できる」
3次元→   4次元←        個人制御のブロック

不活性    活性         外界とのコミュニケーション

モデルAの機能の2元記号
一般的に、8つの機能の各々は、3種類の直交する2特性によって特徴付けられる。
1.強い-弱い。
2.メンタル-バイタル。
3.受容-生成。

モデルAのすべての機能は、以下の二分法によって分類できる。

(+)  (-)12345678
強い   弱い ++----++
メンタル バイタル ++++----
受容   生成 +-+-+-+-
不活性  活性 +--+-++-
言語   非言語 ++--++--
評価   調整 +--++--+
外部   内部 +-+--+-+


①強い(制御)機能:自我ブロックとイドブロックに配置される。個人における能力の領域。自信を持って独立的に提示され、継続的かつ効率的に運用できる。ここでは、自分の視点が他のどの視点よりも重要となり、それが周囲の環境に伝播される。

①弱い(実行)機能:超自我ブロックと超イドブロックに配置される。これらは人間の良心と反抗心である。社会との調整はこれらの機能を介して行われる。絶え間ない変動と不確実性の領域。自身の見解は存在しないか脆弱なため、他者の視点に簡単に納得することができる。

②メンタル機能:モデルAのメンタル(アクティブ)リングに属す。これらの機能は、意識によって制御される。世界と自己はこれらの機能を通じて俯瞰的に知覚され、客観性と普遍性を求める。知覚された情報は非個人的であり、第二信号系のレベルにおいて、言語で表現される。

②バイタル機能:モデルAのバイタル(パッシブ)リングに属す。これらの機能は潜在意識にあり、意識による制御は殆ど行われない。内部の投影、自身の感情や経験を通じて、世界は知覚される。バイタル機能は、主観性、独特な表現を特徴とする。通常、結果は第一信号系を介して、行動で具体化される。判断は本人の視点から行われる。

③受容機能:周囲の世界について学習する手段として機能する。モデル内で最初に外部から情報を受け取る機能。現実のモデル、目標を確立し、発生している事象を理解することを役目とする。

③生成機能:現実を変える手段として機能する。モデル内で受容機能の次に配置され、設定されたタスクの解決策を生成機能が見つけ出す。したがって、それらは受容機能のように単に現実を反映するだけでなく、修正された想像上の世界像を生成し、タスクの解決策として機能する。

④不活性(参照)機能:これらの機能は極めて厳格に働き、内部の変化に対してほとんど影響されない。変化するためには強い力による外部からの影響を必要とする。非常に長期にわたる反応と、多くの場合、外部の影響によって置かれた状態への固着を示す。したがって、これらは相対的に不変性の傾向を有す。

④活性機能:これらの機能は非常に流動的であり、状態を適切に管理できる。これらの機能を介して、外部の影響に対する主な反応が開発される。受け取った情報を最初に処理し、最終的な決定も下す。したがって、これらの活動は、周囲で発生している事象または現在のタスクによって決定され、それらの間を容易に移行することができる。

⑤言語(推論的)機能(または過大評価な機能):自我と超イドのブロックに属す。対人間で活発な情報交換を行う。これらの機能に関する情報は興味深いものであり、議論を行いやすい。自己開発する傾向がある。

⑤非言語(作業、協調)機能:超自我とイドのブロックに属す。これらの機能の側面に交渉の余地はなく、行動、行為を通して助けを受けることを好む。活動は、社会の要求と差し迫ったニーズに限定される。

⑥評価機能:メンタルリングの不活性機能およびバイタルリングの活性機能。これらを介して、個人は別の対象を評価し(メンタル・不活性機能)、他者から自身が評価されることを期待する(バイタル・活性機能)。これらの評価は、変化による影響をほとんど受けない。

⑥調整機能:メンタルリングの活性機能およびバイタルリングの不活性機能。これらの機能は、現在の状況への調整と他者からの評価の回避によって特徴付けられる。評価は特定の行動にのみ下される。

⑦外部(永久)機能:メンタルリングの受容機能および、バイタルリングの生成機能。1色(外向性の場合は黒、内向性の場合は白)の側面を含む機能。特徴として、関連する側面を世界の不変的な本質の一部と見なし、あるがままに残そうとする。外部の変化は、不可避で特異なものとして認識される。

⑦内部(可変)機能:メンタルリングの生成機能および、バイタルリングの受容機能。これらの機能は、側面の要素を第一に変更すべきものと見なす傾向がある。世界に対して積極的に影響を与えるか、世界からの変化を受動的に期待する。

モデルAにおける機能の次元
機能の次元性の概念は、数学の関数次元との類推に基づいて、1989年にA. V.Bukalovによって導入され、その後この概念はVladimir Davidovich Yermakによって使用された。Bukalov曰く、モデルAにおける機能の発現は、経験、規範、状況、および時間に対応する。

  名称 次元  適性

1 主導 4   経験、規範、状況、時間
2 創造 3   経験、規範、状況
3 規範 2   経験、規範
4 脆弱 1   経験
5 暗示 1   経験
6 動員 2   経験、規範
7 無視 3   経験、規範、状況
8 実証 4   経験、規範、状況、時間

1-Ex(経験)すべての機能は自身の人生経験を蓄積・使用できる。経験のみを有する機能(脆弱、暗示)は、経験を通じて状況を把握できない場合、状況に対して不適切な反応を示すことが多い。Vera Novikovaは、情報の知覚様式の概念を導入した。これらの機能に関する情報の認識は、過去の様態で生じる。多くの場合、これらの機能に対する反応は、現在の状況において不十分である。状況の理解は後から、しばらくして関連性が失われた時に成立することも多い。

2-Nr(規範)規範は、脆弱と暗示を除くすべての機能に適用される。規範には、社会規範(社会的ルール(エチケット)、ガイドライン、法律、他者の経験)が含まれる。規範の次元は、その状況における他者の振る舞いに対する機能の感受性を定める。Novikovaによると、知覚の様式は静的な現在であり、可能性のある結果を考慮せずに現在の状況に反応する。

3-St(状況)状況は、すべての強力な機能に適用される。新しい関係を発展させ、ルールに対して例外を効果的に用い、情報をパターンに一般化して、新しい知識と経験を生み出す。Novikovaによると、知覚の様式は動的な現在であり、状況の傾向とあり得る発展性を考慮して反応する。

4-Tm(時間)時間は、主導機能および実証機能にのみ寄与する。反応は時間にリンクしている。異なる時間軸における類似した状況への反応は異なるものになる場合があり、評価は変化する。Novikovaによると、知覚の様式は未来であり、状況を予測し、先を見越して行動し、将来の展望を持ち、仮想的な時間の尺度で考えることができる。

モデルAにおける機能の符号
機能の符号の概念はYermakによって広く使用されているが、それらを導入したのはVictor Gulenkoである。Yermakによれば、符号は機能の「品質」、「規模」、「方向」、および「距離」を定義する。
機能の符号は、次の4つの性質を定義する。

1.品質
「+」ポジティブを最大化する。正の性質を帯びた分野でのみ機能する。負の側面を回避、ネガティブへの恐怖。
「-」ネガティブを回避(離れる)することを優先する。正と負の両分野で機能する。
2.規模
「+」接近、局地性、能力の限定された領域における詳細。
「-」総合的な計画、グローバル性、普遍性。
3.方向
「+」内部、責任の領域。保護。
「-」外部、新規性の獲得、影響力。
4.距離
「+」心理的な距離は近い。
「-」心理的な距離は遠い。

出典:http://www.lj-top.ru/post/ru_psiholog/8205375

メンタルリング
メンタルリングには、社会活動に関与する機能が含まれる。これらは意識的に現れる。

自我ブロック
創造的なブロック、または「I know」「adult」ブロックとも呼ばれる。社会活動のほとんどは、このブロックを通じて現れる。これは強力なブロックであるため、人はその機能を確信しており、自身の見解や利益を守る用意がある。これは、人が社会的ニーズを満たすブロックである。
機能:
1番目:主導-メンタル、強い、受容。
2番目:創造-メンタル、強い、生成。

超自我ブロック
社会統制、「must」または「should」ブロックとも呼ばれる。弱いブロックであり、社会は、このブロックにおいて個人に独自の要求を提示する。人はこれらの要件を順守する必要がある。機能は弱点と認識されているため、人はその発達と満足を非常に重視する。
機能:
3番目:役割-メンタル、弱い、受容。
4番目:脆弱-メンタル、弱い、生成。

バイタルリング
バイタルリングは、人間の個々のニーズに対応する機能で構成される。それらは通常、無意識に現れる。

超イドブロック
個人の活動、「I want」ブロックとも呼ばれる。このブロックを通じて、人は社会に自らの要求を提示する。このブロックは弱く無意識なため、他者によって簡単に操作される。人はこのブロックの活動を表現することができるが、生産的かつ長期的に行うことは困難である。このブロックで満足を得ようとするため、傍目からは強いブロックのように見える場合がある。
機能:
5番目:暗示-バイタル、弱い、受容。
6番目:動員-バイタル、弱い、生成。

イドブロック
個人の制御、「I can」ブロックとも呼ばれる。また、個人のニーズも満たすが、これは比較的強力なユニットであるため、自立できる。人は情報を交換しようとせずに、通常は無言かつ単独で、長時間このブロックにおける活動を示すことができる。
機能:
7番目:無視-バイタル、強い、受容。
8番目:実証-バイタル、強い、生成。

モデルAの機能



モデルAの機能順列は、研究者の間で一致していない。ある程度まで、基準はAushuraの著作図に記述されており、リング(メンタルおよびバイタル)に関する情報を1→2→3→4→1、5→6→7→8→5の順に連続して転送することを示している。したがって、流入する情報の主な入り口点は役割機能と暗示機能、出口点は創造機能と実証機能となる。つまり、すべての活性機能は外界との情報交換に「対応」する。

出典:
http://www.wikiznanie.ru/ru-wz/index.php/%D0%9C%D0%BE%D0%B4%D0%B5%D0%BB%D1%8C_%D0%90

コメント

このブログの人気の投稿

MBTI:タイプの関係

日本では何故かソシオニクスしかタイプの関係を扱っていないことになっている(?)が、MBTIでもタイプの関係については言及されている。「タイプの関係(相性)」は誰でも思いつくテーマなので当然だが、MBTIの関係論については、あまり有名ではない。理論的にはそこまで緻密なものではないが、参考までに紹介する(メインで取り上げるカーシーについては この記事 を参照)。 初期のカーシーは、真逆のタイプ同士の相性が最も優れていると考えていた。人は自分にないものに惹かれる。つまり、INTPとESFJが互いに惹きつけ合う。ただ、その後の観察から、カーシーは考えを変えたらしい。多くの結婚生活を観察した結果、SJとSP、NFとNTの組み合わせが最も多いことがわかった。どちらの組み合わせも、コミュニケーションの好みは一致している一方、目標を達成する手段は異なる。例えば、SJとSPは共に具体的な対象について話すことを好むが、SJは協調して行動するのに対し、SPは実利を重視して行動する。逆の組み合わせ(SJとNF、SPとNT)では、この関係性は成立しない。このため、SとNの違いが重要とされる。 実はタイプの関係については、マイヤーズも言及している。375組の夫婦を調査したところ、夫婦の77%は二つ以上の指標が一致していた。特にSN指標が一致していることが、タイプを問わず重要だという。マイヤーズは異なるタイプ間の違いを理解するためにMBTIを作ったが、実際は自分に近いタイプを好むらしい。ユングによれば、人のシャドウによる行動は、その人物の行動と見なすべきではない。シャドウを額面通りに受け取らないことが、結婚生活を上手く送る秘訣になる。 話をカーシーに戻すと、彼の理論ではSN以外の指標が逆のカップルに、最も互換性がある。つまり、 ESTP x ISFJ 、 ESFP x I STJ 、 ESFJ x I STP 、 ESTJ x ISFP 、 ENTP x INFJ 、 ENFP x INTJ 、 ENFJ x INTP 、 ENTJ x INFP がベストカップルになる。以下に各々の気質ごとの関係性をまとめた。 <SP:職人> SPは異性と真剣な関係になりにくい。衝動的に人々に惹きつけられ、新たな関係を結ぶ。他の気質よりも外見に気を遣い、性的な経験にも積極的である。抽象的な刺激には心を動かさない...

トライタイプ

<トライタイプとは> 1995年の調査で、人はひとつだけでなく、好ましい順番で使用される三つのエニアグラムタイプを持つことが示された。これらの各タイプは三つのセンター、ヘッド(567)、ハート(234)、ガッツ(891)に存在する。 三つのタイプのうち、支配的なタイプは自我の優先する防衛戦略を表す。しかし、支配的なタイプの戦略が失敗すると、自我は残り二つのタイプの戦略を順番に利用する。支配的なタイプは常に統制者であるため、最終的に核となる戦略に立ち戻る。 <調査方法> 初期の調査から明らかになったことは、質問票やコーチングの際にクライアントによって使用された語彙パターンが、一貫して三つのタイプを中心に自我の戦略を組織したことである。言い換えると、クライアントは個人的な心理経験をさらけ出す際に、三タイプの言語や語彙を利用した。 クライアントは支配的なタイプだけでなく、他の二タイプの核となる恐怖とも共感した。さらに重要なことに、多くの人々は支配的なタイプとラインやウイングで繋がっていないタイプの語を使用した。殆どの理論家は全ての言動が支配的なタイプ、ウイング、ラインに帰するものと考えていたが、クライアントは各センターにおけるタイプの語彙を何度も使用したため、これはトライタイプの発見において重要な特徴である。 語彙分類は質問票の単語選択を統計的に実証し、各タイプが母語、年齢、性別、教育、国籍や人種を問わず独自の語彙を使用するという仮説を確認するために使用される。さらに、支配的な本能型の言語と同様に、トライタイプを構成する3タイプの語彙を使用することも確認する。このため、タイピングは5つの段階を経る。1)質問票。2)エニアカードを用いたテスト。3)本能型のテスト。4)語彙分類。5)コーチング。 出典: https://www.katherinefauvre.com/tritype/ <ウイングとライン> 調査は人がウイングとライン(エニアグラム図で点同士を結ぶ線)を利用することを示したが、これらのウイングとラインは、個別に使用される戦略に留まらない。何故、メインタイプと関連のない根源的な恐怖、語彙、動機や望みが報告されたのか?トライタイプにウイングタイプや統合・退行ラインに沿ったタイプが含まれると、そのタイプが活用されることが極めて多い。 例えば、トライタイプに3と6を持つ...

MBTIとソシオニクスの違い:心理機能と情報要素

前回 はJ/Pの違いについて触れたが、MBTIとソシオニクスは4指標の定義、心理機能(情報要素)の定義においても異なっている。以下はWorld Socionics Societyが挙げた両者の違いとなる。 ①各指標が意味するもの ・MBTIのI / Eは「人と関わってエネルギーを得るか」だが、ソシオニクスではFに依存する。外向T型は交流をあまり必要とせず、内向F型は人と関わることを好む。 ・MBTIのN / SはN型のみが創造力・発想力に富むというバイアスがかかっており、S型は過小評価されている。ソシオニクスでは両者が得意とする領域で公平に取り扱われる。 ・MBTIのT / Fは「厳しさ・優しさ」を表すが、ソシオニクスでは競争心・攻撃性・厳しさはSeに依存する。よってソシオニクスにおけるSe優勢タイプの多くが、MBTIではT型になる。ソシオニクスのFは親切心・寛大さではなく、対人能力を表す。よってSe-Fタイプは社会的に優位に立つためFを利用する。 ・MBTIのJ / Pは「組織力・計画性の有無」を表すが、ソシオニクスではTに依存する。よって多くのF型がMBTIでPと判定される。ソシオニクスの合理・非合理は物事が「どうであるべきか(T / F)」「どうであるか(N / S)」というアプローチの取り方に焦点を当てる。EIE(ENFj)やEII(INFj)は計画性に欠ける可能性があるが、「自分の感情は正しい」「他人はこのように感じるべきだ」という明確な見解を持つタイプとなる。 ※なお、わかりやすくするために特徴を挙げたが、詳細は各指標に関する記事で確認して欲しい。 ②MBTIの認知機能とソシオニクスのIE ・MBTIのSe(現在を生きる、快楽を求める、美的感覚)=ソシオニクスのSi ・MBTIのSi(記憶、歴史、比較、時間感覚)=ソシオニクスのNi ・MBTIのSi(ルールを守る)=ソシオニクスのTi ・MBTIのTi(物事の仕組みを解明する)=ソシオニクスのTe ・MBTIのTe(権威、指揮、上下関係)=ソシオニクスのSe ・MBTIのFi(感情の状態)=ソシオニクスのFe ・MBTIのFe(人間関係、社会的に適切な態度)=ソシオニクスのFi ※ソシオニクスについては「 情報要素 」を参照。 ③グループ分け ・MBTI...